あなたは本当に知っている?最低限の温泉知識と入浴のマナー
こんにちは。知っているようで、実は知らない方も多い「温泉とは何か?」「源泉掛け流しとは何か?」「温泉入浴マナー」について書きました。
目次
そもそも「温泉」とは何?どうやって決まる?
「温泉」とは何か?あなたは考えたことありますか?
温かくてほっこりするもの!リラックス出来る!上がった後のビール最高!…などどれも正解です。ただ、果たして「温泉」とはいったい何なのでしょう?
日本は世界有数の火山国であり3,000カ所以上の温泉地があります。地球の内部で発生した水蒸気やガスが地中に溜まって熱や圧力で温かい液体となります。この水分が地表に湧き出たものこそが「温泉」なのです!
実は、私たちが大好きな温泉は「温泉法」 という法律によってきちんと定義されているのです。(意外じゃないですか?)
温泉法とは
地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガスのうち、下記3点のどちらかあてはまるものををさします。
- 湧出口の温度が25度以上ある場合
- 溶存物質(ガス性のものを除く)の総量が1kg中に1000mg以上含まれる場合
- 下記成分の内、いずれか1つが規定量入っている場合
- 遊離二酸化炭素(CO2)250mg以上
- リチウムイオン(Li+)1mg以上
- ストロンチウムイオン(Sr++)10mg以上
- バリウムイオン(Ba++)5mg以上
- 総鉄イオン(Fe++,Fe3+++)10mg以上
- マンガンイオン(Mn++)10mg以上水素イオン(H+)1mg以上
- 臭素イオン(Br-)5mg以上
- ヨウ素イオン(I-)1mg以上
- フッ素イオン(F-)2mg以上
- ヒ酸水素イオン(HAsO4–)1.3mg以上
- メタ亜ヒ酸(HAsO2)1mg以上
- 総硫黄(S)1mg以上
- メタホウ酸(HBO2)5mg以上
- メタケイ酸(H2SiO3)50mg以上
- 炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)340mg以上
- ラドン(Rn)百億分の20キュリー単位以上
- ラジウム塩(Raとして)1億分の1mg以上
こちらを一つずつ解説して行きます。
まずは注目すべきは「泉温」です。
地中から湧出された時の温度が25度以上であれば、どんな成分だろうと「温泉」と呼びます。
泉温が25度未満の場合は、温泉成分の溶存物質(ガス性のものを除く)の総量に注目します。簡単にいうと温泉1kg中何mg成分が入っているかということです。1,000mg以上あれば「温泉」となります。この場合は、温度の低い「温泉」に熱を加えて適温に温めて私たちが入浴しているのです。
また、いずれも当てはまらない場合は、各温泉成分の数値に注目します。温泉法が設けた規定の数値を満たしている場合は「温泉」となります。
源泉掛け流しと循環の違いは?
温泉の利用方法として「源泉かけ流し」「循環式」とよく聞くかと思います。
「循環式」は、簡単に言うと温泉のリサイクルです。湯舟からあふれた温泉などを専用の機械を通してろ過・加温・殺菌などをして同じ浴槽へ注ぐことをさします。殺菌の代表例が塩素注入です。(プールの匂いなど)
また、元々の温度が低い温泉に熱を加えるなどして入浴に適した温度にすることを「加温」、
温度が高すぎる温泉に水を加えて適温にしたり、温泉の湧出量が少ない為水を加えるなどして湯舟に温泉を注ぐことを「加水」といいます。
「源泉掛け流し」は施設によっても定義が異なります。
加温や加水や塩素消毒などを一切せずに、湧き出た温泉をそのまま湯舟に注ぎ、あふれた温泉は捨てていることを指す施設もあれば、加水や加温などは行っているが湯舟に注がれた温泉をそのまま捨てていることをさす施設など、きちんとした定義が決まっていません。
「入浴」がもたらす効果は?
日常生活を離れて、環境を離れることで気持ちがリフレッシュすることを「転地効果」と呼びます。目をつぶってその土地の匂いや音を楽しむことで五感が刺激を受け自律神経の中枢に作用します。
ぜひ「絶景温泉」など景色が素晴らしい温泉に入浴する際は気持ちを解放させてあげましょう。ストレス解消や精神疲労に効果的です。
温泉に含まれる「塩分」「硫黄」など入浴することにより皮膚から成分が吸収され、肌荒れ・冷え性など泉質に応じた効果に期待出来る「薬理効果」があります。
自宅の温泉でも、入浴によって得られる効果があります。
- 「温熱効果」
入浴し体があたたまると血行促進されリンパの流れもよくなるので体の中の老廃物が流れやすくなります。また交感神経・副交感神経のバランスを整えます。 - 「浮力効果」
入浴すると浮力と水の抵抗でエネルギーが消費されるのでダイエット効果があります。また筋肉が緩み、重力から開放されることによるリラックス効果があります。 - 「水圧効果」
入浴すると、水圧で血管が細くなり、血液が心臓に向かって押し上げられます。血液やリンパ液の循環も活発になります。また全身に圧力がかかるので、内臓が刺激され内臓運動につながります。
最低限知っておくべき温泉入浴のマナー5か条
最低限知っておきたい温泉入浴のマナー5か条をご紹介します。
- 入浴前後に水分補給をする
- かけ湯は身体が温まるまで
- 髪はまとめる、絶対に湯舟につけない
- タオルで身体を拭いてから出る
- 適正な入浴時間を守る
入浴前後に水分補給をする
42度のお湯に約10分入浴すると、400ml近くの汗が消費されます。
これは、コップ約2杯分に相当します。
入浴前後に水分をとらない場合、脱水症状になる危険性があるだけではありません。
水分をとることによって、ドロドロしていた血流がさらさらになります。
入浴すると、血液の循環を促進されますが、ドロドロ血のままだと、血流が循環することが出来ず詰まってしまうなどと命の危険も考えられます。
必ず、入浴前後には水分補給をしましょう。
緑茶はビタミンCが含まれており、湯あたり防止になります。
また同じ42度のお湯に約10分入浴する時の消費カロリーは約80kcal。
これはジョギング10分間分の消費カロリーに相当します。
※年齢、性別、体型などによります。
かけ湯は身体が温まるまで
足元、お腹、上半身と徐々にお湯を身体に慣らします。
身体が入浴していると勘違いするほど温めてから入浴しましょう。
冬は血管が収縮しており、入浴することで急に血圧が上がります。
脳内で血管が破れれば脳内出血、詰まれば脳梗塞、心臓付近で詰まれば心筋梗塞となります。
十分にかけ湯で身体を慣らして、血管を広げてから入浴しましょう。
また湯めぐりの際に別の温泉で身体を洗っていても、マナーとして必ずかけ湯をします。
髪はまとめる、絶対に湯舟につけない
これも最低限のマナーかと思います。
タオルで身体を拭いてから出る
脱衣所で衣類を脱ぎ、タオルを持たずに湯舟に行く方がいらっしゃいますがNGです!
必ずタオルは持参しましょう(小タオルが使いやすくて◎)
そして、上がる前に身体を拭いて脱衣所へ行きましょう。
適正な入浴時間を守る
長時間、無理に入浴せずご自身の身体に合わせた入浴時間で出ましょう。
入浴は、深部体温が1度上がると最も湯冷めしにくいと言われています。
深部体温が2度以上あがると疲れが出て来てしまうおそれがあります。
深部体温が1度上がる、温度別の入浴時間の目安
42度:5~6分
41度:10分
40度:15分
39度:20分
上記時間は、湧出時の温度(温泉分析書に記載がある泉温)ではありません。
実際に入浴している湯舟の温度を指します。