温泉コラム

温泉分析書はここを見れば簡単に読める!【初心者向け】

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温泉施設のこんな紙が張っているのは見たことがありますか?
こちらは「温泉分析書」と呼ばれるもので、温泉のプロフィールみたいなもの。

温泉分析書が読めると、温泉はもっともっと楽しくなります^^

今日は、読み方・チェックポイントを解説していきます。

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温泉分析書って?

「温泉分析書」とは、温泉に含まれている成分(塩分や硫黄など)や温度・濃度などから、専門機関が温泉成分を詳しく分析してまとめた書面で、いわば温泉のプロフィール!

私たち温泉ファンも入浴前後で必ずと言っていいほどチェックしています。

  • 温泉の施設内への掲示
  • 都道府県知事の登録を受けた分析機関が実施
  • 掲示内容を都道府県知事に届け出ること

が義務付けられており、温泉分析書は10年以内のものが有効とされています。

 

温泉分析書は、ここをチェックしよう!

主に脱衣所に掲示されているので、見つけたら是非読んで見てくださいね。

温泉分析書をこう読めばおもしろい!美肌温泉手帖

注目点①「泉質」

「泉質」は、入浴することにより皮膚から成分が吸収され、肌荒れ・冷え性など泉質に応じた効果に期待出来る「薬理効果」があります。

泉質は10種類に分けられます。

  • お肌にやさしいマイルドな「単純温泉」
  • お肌しっとり保湿保温の「塩化物泉」
  • なめらかな温泉はまるで美容液「炭酸水素塩泉」
  • うるうる肌になりたい「硫酸塩泉」
  • 話題沸騰の炭酸美容法を実感♪「二酸化炭素泉」
  • 美肌のサポート「含鉄泉」
  • 代謝促進に期待!「硫黄泉」
  • お肌の引き締め「酸性泉」
  • 免疫力アップ!「放射能泉」
  • 高コレステロール血症「含よう素泉」

▼こちらも合わせてご覧ください
美肌温泉に欠かせない主要な7つの泉質とおすすめの温泉地

注目点②「泉温」

温泉分析書に記載のある「泉温」は、実際に私たちが入浴すの湯舟の中の温度ではなく、温泉が湧き出して検査(分析)をした時の湧出時の源泉の温度を示しています。

  • 高温泉:42度以上
  • 温泉:34〜42度未満
  • 低温泉:25〜34度未満
  • 冷鉱泉:25度未満

源泉温度が高い場合は自然冷却や水を加えて適温にしたり、
源泉温度が低いと加温をして湯船に注いでいる場合があります。

注目点③水素イオン濃度(ph値)

小学生の頃に、リトマス紙で青色になるか赤色になるかの「水素イオン濃度」の実験をしたことを覚えていますか?

この「水素イオン濃度」が美肌・美容において重要な役割を果たします。
温泉成分表に記載のある「phの数値」によってに分けることが出来ます。

  • 強アルカリ性:ph10以上
  • アルカリ性:ph8.5以上
  • 弱アルカリ性:ph7.5~8.5未満
  • 中性:ph6~7.7未満
  • 弱酸性:ph3~6未満
  • 酸性:ph2~3未満
  • 強酸性:ph2未満

アルカリ性は「クレンジング効果」に期待

アルカリ泉は、ぬるぬるっとした肌触りが特徴で、多くは無色澄明、無味無臭で、お湯がやわらかくて入り心地がよいです。古い角質を除去し、すべすべ肌の効果をもたらします。

酸性泉は「リフトアップ効果」に期待

酸性泉はピリピリとしたは肌触りが特徴で多くは白濁、酸味、卵が焦げたような硫黄臭があります。キメを整えたり引き締め・収斂(しゅうれん)効果をもたらします。また殺菌効果にも期待出来ます。

中性泉は「肌に優しい」

さらりとしており、本来の肌のphに近いため刺激が少なくマイルドな温泉です。

注目点④溶存物質(ガス性のものを除く)

温泉1kg中、温泉成分は何グラム含まれているか温泉の濃度を示しています。
人間の身体を作る細胞液を基準にして分けられています。
この細胞液は、1リットルの水に8.8gの食塩を溶かした食塩水に相当します。

  • 高張性:10g以上/1kg(湯あたりしやすい)
  • 等張性:8g以上~10g未満/1kg(人間の細胞液)
  • 低張性:8g未満/1kg(ふやけやすい)

ちなみに、家庭で使われる一般的な入浴剤は約0.2g/1kgです。
5g/1kg以上あるとその温泉の個性が出てきます。
約15g/1kgが強食塩泉、約35g/1kgで海水、有馬温泉は約60g/1kgだそうです☆

注目点⑤メタケイ酸

メタケイ酸は、化粧水などにも含まれている美肌成分で体をコーティングしてあたためる保湿効果があります。含有量が50mg以上なら美肌に有効とされており、100mg以上の温泉もあります。

【練習問題】実際に温泉分析書を読んでみよう!

ではこちらの温泉分析書を読んで見ましょう!

温泉分析書をこう読めばおもしろい!美肌温泉手帖

①泉質:アルカリ性硫黄単純温泉
→硫黄泉は「代謝促進・美白効果」に期待が出来ますね。

②泉温:25.8度
→湧出温度が低く「低温泉」と分類されるので湯船に注ぐ際は加温をしている可能性が高いことが分かります。

③ph:10.1
→10.1は「高アルカリ」と分類することが出来ます。高アルカリ性は古い角質を除去し、すべすべ肌の効果に期待が出来ます。

④成分統計:417.5mg/kg
→417.5mg/kgは「低張性」と分類することが出来ます。ふやけやすいことがわかりますね。

⑤メタケイ酸:ー

つまり、この温泉分析書を見ると代謝促進&美白効果とすべすべ肌に効果が期待出来る温泉ということが分かります。

別表もチェックしておこう!

余裕があれば温泉の利用状況の記載や、適応症・禁忌症などもチェックしておくとよいですね^^

温泉の利用状況とは?

温泉に水を加えて薄めていたり、熱を加えて温度を上げていたり、消毒剤や入浴剤を使っている場合など、温泉に何かしらの手を加えている場合は必ず理由も添えて記載が必要です。温泉に何も手を加えずに、湯船に温泉を注いでいる場合は、湧き出た温泉を100%堪能することが出来ます^^

▼こちらも合わせてご覧ください
源泉掛け流し V.S. 循環消毒 どちらが“良い温泉”!?

(余談)
湧出温度が高すぎるためそのまま湯船に注いでしまうと入浴温度に適さないので水を加える場合は仕方ないかなとも思いますが、湧出量が少なすぎるので水またはお湯を加える場合は単純に温泉成分が薄まって入浴する頃には温泉成分が損なわれてしまうのではないかな・・・と思うことがあります涙。

適応症とは?

療養を行うことによって効果をあらわす症状のことを指します。
「一般適応症」「泉質別適応症」が書いてありますが、「一般適応症」はすべての温泉に書かれている内容です。「泉質別適応症」はその温泉(泉質)ごとに異なるので、温泉に特徴がある場合はこちらもチェックしてみて下さいね。

禁忌症とは?

温泉には入浴してはいけない症状を示したものです。

【おまけ】イオンに注目してみる

イオンに注目すると、さらに温泉入浴が楽しくなります。
“この温泉は「ナトリウムイオンが含まれている」から「保温保湿効果」に期待が出来るかもしれない!”など。

●陽イオン
ナトリウムイオン:保温保湿しっとり
マグネシウムイオン:美肌促進サポーター
カルシウムイオン:すべすべさらさら
アルミニウムイオン:傷の治癒を促す、殺菌作用

●陰イオン
硫酸イオン:ハリと弾力ふっくら
炭酸水素イオン:クレンジングすべすべ

●非解離成分
メタケイ酸:美肌サポート
メタホウ酸:洗浄作用があり「ニキビ」効果に期待

まとめ

成分表の見方が分かると、さらに温泉の楽しみが増えます。
ぜひ入浴前に成分表をチェックしてみてくださいね。

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ABOUT ME
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温泉美容家
温泉美容家。学生時代の草津温泉訪れがきっかけで、温泉の魅力に魅了され、全国の温泉を巡るようになる。2013年には「温泉ソムリエ」の資格を取得し、2016年に美容温泉情報を発信する『美肌温泉手帖』を創設。美容専門学校でエステティックを学び、「温泉×美容」の可能性に注目。美容効果や入浴方法、泉質に基づくおすすめの湯めぐり方法など、幅広い知識を有する。ブログでは「肌がよろこぶ、温泉のえらびかた」をテーマに、各地の美容温泉や美容情報を発信。読者の温泉選びを楽しく、美容効果を引き立てる手助けを提供している。
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